信用取引って何?信用取引の仕組み 出来ることを説明していきますので参考にしてください。
株取引で活用することで、有利に取引できることもあるので活用していきましょう。
自己資金以上の取引が出来る
信用取引は「借りて取引を行う」元手資金や保有株式を担保にして元手以上に取引できる
当たり前ですが「借りたものは返す」という考え
株を借りることで売り建て(空売り)ができるとか、元手資金以上の金額を借りることで大きな取引ができるなど、信用取引の特徴があります。
信用取引には
- 期日がある
- 金利などのコストが発生する
- 返済に不安が生じた時は、追加の保証金が(追い証)発生する
現物取引とは違い、貸し借りがあるのでこれらのデメリットもある
通常の現物株取引では、投資家、証券会社、取引所が 株式取引の注文の流れでの関係で役割が明確です。
信用取引でもこの関係は変わらないのですが、これに「誰から借りるのか(誰が貸すのか)」が加わり、少し複雑になります。
実は、投資家に資金や株券を貸しているのは証券会社です。そのため、投資家と証券会社との間には、(注文の)出し手と取り次ぎ手」だけでなく、「(資金や株券の)借り手と貸し手」という関係になります。
証券会社が投資家の借りたいニーズに応えられない場合に、足りない資金や株券を貸し出してくれる証券金融会社が新たに増えてさらに複雑になります。
信用取引の貸し借りの流れがあるので、逆日歩(金利)の発生や信用取引規制が出てきます。
「実需」ではなく「仮需」を対象とする信用取引
「モノ」の価格というのは、需要と供給のバランスで決まります。買いたい人(需要)が多ければ価格は上がり、反対に売りたい人(供給)が多ければ価格は下がります。
株式の価格(株価)についても基本的には同じ原理で成り立っています。
その一方で、株価というのは「その企業の価値を表している」ため、株価は企業業績とある程度連動する性質があります。企業の業績が良ければ株価は上昇しやすく、逆の場合は下落しやすくなります。
つまり、株価を判断するには
- 「需要と供給」
- 「企業の価値や業績」
の2つの側面をみる必要があります。
そして、信用取引は先ほどの需要と供給の面が関わってきます。
株式取引における需要と供給には、
- 「実需(じつじゅ)」
- 「仮需(かりじゅ)」
と呼ばれる2つがあります。大雑把ですが、現物取引が「実需」、信用取引が「仮需」にあたります。
実需とは、実体のある需給です。配当金や株主優待、長期の資産運用を目的とした売買などがこれにあたります。
仮需は、株式の保有ではなく、株価の動きによって利益を狙う手段として売買する需給を指します。
信用取引は、その仮需による取引を促す役割があります。
人間の欲望を利用し、元手資金以上のお金を使える状態にして、売買を煽るような仕組みです。
欲に駆られて、むやみに売買をすると大損してしまうので気をつけて売買しましょう。
仮需による取引が増えると、株価への信頼が増す?
仮需の仕組みがあることで、たくさんの投資家による株式の注文や売買が増えやすくなります。
少ない取引で成立した株価よりも、多くの投資家の思惑や価値観によって成立する株価のほうがより公正な株価だといえます。
出来高が増えることで、多くの人の意見で成り立っているので、簡単にはその価値観は変わりにくくなります。信頼が増すということです。
仮需による取引を増やして株価や市場に対する信頼感を高めるとことと、個人投資家には、レバレッジや売り建てといった収益のチャンスを提供しているという意味で、信用取引は欠かせない存在です。
元手資金の「約3倍」の取引を行うことができる
信用取引のメリットは?
多くの人は「資金効率の良さ」と思っていると思います。少ない資金で大きな取引ができること、「レバレッジ」が効いている点です。
信用取引では元手資金の約3倍の取引をできます。
現物取引で1000株取引できる資金があれば、信用取引を利用することで約3000株の取引ができるということです。取引額が大きくなれば、それだけ得られる利益も大きくなります。
ただし、大きな利益がねらえる分、発生してしまう損失も同様に大きくなります。ハイリスク・ハイリターンというわけですが、そのリスクとリターンの度合いは、レバレッジが大きくなるほど高くなります。
他のレバレッジ型商品である、FX(外国為替証拠金取引)や株価指数先物取引のレバレッジは一般的に20倍を超えています。レバレッジの側面で見れば、信用取引はみんなが思うほど怖いということはありません。
レバレッジは、資金効率をよくする為に使いますが 儲けようとする欲が強すぎると冷静な判断が出来ず、大きな損失に繋がり破滅へと向かっていきます。
世間で言われている、株は怖いという意見は、欲の強い人がレバレッジの使い方を間違えて大損した結果だと思います。
信用取引のレバレッジの正確な表現は、取引したい金額の30%の手持ち資金が必要 です。
(※)信用取引に必要な元手資金のことを「委託保証金」といいます。また、この30%のことを「委託保証金率」といいます。
60万円の株を信用取引で買いたい場合、60万円の30%、つまり18万円の手持ち資金があれば買えます。
レバレッジの活用で資金を効率よく使う
元手資金が60万円あり、買いたい株が60万円だったとします。手数料等のコストを考慮しなければ、そのまま現物取引で買うことができますが、その時点で手持ちの資金を全て使ってしまうことになります。
信用取引を活用すれば、60万円の株を18万円で買うことができます。残った42万円で他の銘柄を買ったりするなど、チャンスに供えることが出来ます。もちろん、損失の発生に備えて多少の現金の余裕を持つ必要がありますが、投資資金を節約できることで、資金効率はかなり良くなります。
同じ銘柄を1日で何度でも売買可能(回転売買)
信用取引には他に資金効率の良さがあります。
「回転売買ができる」ことです。回転売買とは、「同じ資金で何回も取引を繰り返すこと」です。
現物取引には「同じ資金を使って同じ銘柄を1日に何回も取引できない」というルールがあり、回転売買ができません。
例えば、銘柄Aの株を100万円で買い、株価が上がったので、その日のうちに110万円で売却します。そして、同じ日に「まだ株価が上がりそう」ということで、再び売却代金でA株を買おうとしてもできないルールがあります。買いたいなら別にA株を買う代金を用意する必要があります。
2013年1月から株取引のルールの変更があり、信用取引での回転売買が出来るようになりました。
初心者の方が、1日で何度も株の売買を行う事は殆どないと思いますが、1日の中でも株は上げ下げを繰り返しているので株の上手な人にとっては、回転売買はとても大きなメリットです。
「手持ちの株券」を担保に取引することもできる
信用取引では「現金がなくても、保有している株券を元手に取引」することもできます。これを「代用有価証券(※)」といいます。
(※)代用有価証券代用有価証券は制度上、株式以外にも債券(国債・社債)や、投資信託なども対象です。掛目(委託証拠金として使う割合)については、リスクの低い国債などは90%台など高めに設定されたりしますが、取引される証券会社によって対応が異なりため確認してください。
現金と全く同じように使えるというわけではなく、基本は株式の評価額(株価×株数)の80%になります。評価額100万円の株式を持っていれば、80万円を委託保証金として信用取引が可能というわけです。
ただし、株は日々変動するため評価額も変わりますし、規制が入れば80%の掛目が変更、もしくは代用有価証券として使えなくなることもあり、注意が必要です。
つまり、回転売買や代用有価証券による資金効率の良さは、現物取引とのルールの違いによるものです。
現物取引では出来ない、売りから入る「売り建て」
信用取引には、
- 「資金を借りて買う取引」(買い建て)
- 「株式を借りて売る取引」(売り建て)
の2種類があります。特に売り建ては、信用取引におけるメリットです。
よく言われる”空売り”のことを指しています
- 安く買った株が高くなったら売り 利益を取るのが買い建て
- 高く売って安く買い戻し 利益を取ることを売り建て
というものです。
株を何も所有していないのに、売ることは出来ないと思いますが 証券会社から株を借りて株を売り
安くなったところで、買い戻して証券会社に返す仕組みです。安くなった分だけ利益になります。
配当金も株主優待も「受け取れない」
株式取引には売買による利益(キャピタルゲイン)以外にも、配当金(インカムゲイン)や株主優待を受け取るチャンスがあります。配当金や株主優待は株主であれば得られる権利です。
信用取引の場合、配当金や株主優待は受け取れません。
株主優待については絶対「受け取れません」が配当金については代わりのものがあります。
配当金の代わりに「配当金相当額」を受け取れる
自己資金による現物株取引とは違い、信用取引の買い建ては資金を借りて行うため、買った株式は自分のものにはなりません。株式は、資金を貸している証券会社や証券金融会社が担保として保有することになります。そのため、信用取引で株式を買っても、株主優待や配当金を受け取れません。
配当金については、代わりに、「配当金相当額(配当金調整額)」というのを受け取れます。
配当金を受け取るには、「権利付最終日」の取引終了時点で株主である必要があります。権利付最終日の翌日に株を買っても配当金はもらえません。この日を「権利落ち日」といいます。理論上は、権利落ち日に配当金の分だけ株価が下がることになります。
権利付最終日とは:株主の権利を得るには、権利確定日に株主であることが必要。通常の場合、企業の決算月の月末が権利確定日ですが、株式は取引日と受渡日が異なるため、権利確定日の3営業日前、つまり権利付最終日までに株式を買っておく必要があります。
株価の下落は、買い建てにとっては損失、売り建てにとっては利益ですが、市場の売買によるものではなく、あくまでも株主の権利関係によるものです。そこで、配当金に相当する額を売り建て側から徴収し、買い建て側に支払うことで、配当金の権利落ちによる株価下落の影響をお互いにチャラにしようというわけです。
そのため、配当金の権利発生のタイミングで売り建てをしていると、配当調整額を支払うことになる点には注意が必要です。
ちなみに、配当調整額は信用取引の諸経費として扱われます。
「制度信用取引」と「一般信用取引」の違い
信用取引ですが、
- 「制度信用取引」
- 「一般信用取引」
の2種類があります。基本的な取引のしくみは同じですが、違いは何か?
制度信用取引と一般信用取引の違いは、
「取引ができる銘柄や返済期限、金利や規制などのルールは証券取引所か証券会社か」の違いです。
制度信用取引は証券取引所によってルールが決められている信用取引です。取引所は証券会社からの注文を受け付けて売買を成立させているところですから、制度信用取引のルールは原則として全ての証券会社に適用されます。
一般信用取引は各証券会社がルールを決めています。
そのため、ルールの内容については証券会社ごとで異なる部分があります。
「返済期限」と「取引できる銘柄」が違う
制度信用取引と一般信用取引の大きな違いは、
- 返済期限
- 取引できる銘柄
の2つです。
制度信用取引では、新規建てから返済までの期限が6カ月以内と決められています。
これを「期日(きじつ)」といいます。損益状況に関係なく、期限内に必ず取引を手仕舞わなければなりません。
一般信用取引では期日を証券会社が決めるため、ネット証券では原則「無期限」にしているところが多いです。
※無期限でも例外はあります。合併や株式分割、上場廃止などが発生した場合には返済の期限が設けられることがあります。
取引できる銘柄も一般信用取引のほうが多いです。
制度信用取引の取引対象は取引所の基準を満たした銘柄ですが、一般信用取引では各証券会社の判断次第になります。さらに、IPO(新規上場銘柄)は、制度信用取引の対象銘柄になるまでに一定の時間がかかりますが、一般信用では上場初日から取引ができます。
一般信用取引の方が有利に感じますが、制度信用取引に比べて金利が高めになっているなど注意が必要です。
証券取引所の条件をクリアして信用取引の対象となる
信用取引では制度・一般を問わず対象銘柄が指定されています。その銘柄は取引所が決めるか、証券会社が決めるかの違いです。
制度信用取引では、取引所が「これなら信用取引をしてもいいよ」という条件(選定基準)を設け、その条件をクリアした銘柄が対象になります。
選ばれた銘柄は「信用銘柄」と呼ばれます。
信用銘柄の中からさらに絞り込んで、売り建てもできる銘柄を選出します。
これを「貸借銘柄(たいしゃくめいがら)」と呼びます。
つまり、信用銘柄は買い建てオンリーの銘柄、貸借銘柄は買い建て・売り建ての両方ができる銘柄というわけです。
当然 貸借銘柄の選定基準は信用銘柄の基準よりもハードルが高くなります。
証券会社の情報画面では、「信用」もしくは「貸借」というように、何かしらの判断する表示がありますので是非チェックしてみてください。
信用取引をするなら口座開設が必要
信用取引をするなら、普通の証券口座では出来ません
信用取引専用口座を、別で開設しないといけません。
信用取引専用口座の開設方法の説明もあるので、参考にしてください。